過去の日記

09年04月03日

また気が付いたら時間が流れてるぞ。この時の流れの速さは一体どういう事なんだろ。

学生時代から夢見てきた長編映画のクランク・インも数週間後に迫り、このまま行くと気が付いたらアップしてたってな感じで時間は流れていくんだろうな。・・とは言え、残された僅かな時期にすべき事は山積み状態。いやあ、映画制作って事前準備にこれだけの労力が必要なんだと今更ながら思う。今まで撮ってきた短編じゃここまで事前準備に時間を費やした事がなかったもんな。

しかし、ここまでプロレベルの企画になるとプロ同様の苦しみもイヤという程味わう事になる。例えば役者のスケジュール。この人は４月OKで５月NG、逆にこっちの人は４月NGだけど５月が余裕・・で、二人が絡むシーンがあったとする。これはもうシナリオ代えるか別撮りするしか打開策はないわけ。さっきまで大活躍してた脇役が次のシーンになったら後ろ姿しか出てこないとか晴れの日と曇りの日の切り返しとか、そういうのって結局こんな裏事情がある訳よ。

向こう二ヶ月先まで役者を完全束縛してその中で自由にスケジュールを組めればこんな事で頭を痛める必要もない。でも俺に与えられた時間は９日間しかなく、その中で多忙なスケジュールの合間を縫って出演してくれる役者さんの都合を踏まえるとこういう現実問題に直面するんだな。

それと俺の方は全く絵コンテが描けてない。これはまあ書き始めてしまえばサクサク進むと思うけど、打ち合わせやメール返信に追われて描けない日々が続いてる。

こうなったら絵コンテ無しで挑むかあ！と思ったりするものの、これがないと必要素材を撮りこぼしちゃう可能性が高いんだよね（記録係不在のロウバジェット企画は特に）。撮り終わったカットにチェックを入れ、まだ撮れてない素材を絵コンテで確認するという方法を学生時代から続けてるので、このスタイルは今更変えようがない。だからクランク・インまでには絶対描くけど今はその時間がない。

で、そういう状況になると常に頭の中で映画のカットワークをシュミレーションしてしまう。紙面に残してしまえばそういう事もなくなるんだけど、まだそういう形になってないから頭でリフレインしてしまう。

だから最近は何か考え事してる？と仕事仲間に突っ込まれる事が多い。いかんいかん、これは早いとこ時間見つけて絵コンテという形ある物にしてしまわなくちゃ。ちなみに描き始めたら多分３日で終わる。中平組の絵コンテ作成は他人のビジョンを具体化する作業だったから時間かかったけど俺の方はシノプシスや初期のシナリオ執筆段階から具体的なビジョンを思い浮かべつつ書いてきたので作業に入れば一瞬よ。取り敢えず今日の夜は少し時間が取れそうだから一気に2-30枚描きますかね。

09年04月08日

ああ〜〜　時間がねえ〜〜！　ここ数日、仕事して打ち合わせして帰って寝て起きて仕事して打ち合わせして帰って寝て起きて仕事してが続いてる。絵コンテ書く時間がねえじゃん。帰ってきたらメールでの打ち合わせもあり睡眠時間は４時間ぐらいしか取れない。

さすがに今日は早寝して一度リセットしようと思いつつこんな時間(25:00)まで起きてるからせいぜい６時間しか寝られない。ま、それだけ寝られりゃ充分だけど３日連続睡眠時間4hてのはキツいわ。撮影が始まったら３日どころか４日５日はこんなのが続くからある意味前哨戦だね。

ちなみに中平組の絵コンテは2h10枚ペースだったけど、俺の方は1.5hで15枚描けた。約２倍のペースだね。予想ではあと6-70枚で終わるから集中して描けば２日かからない・・けど、そんな時間は何処にもないのさ。取り敢えず明日（もう今日か）は打ち合わせの予定が入ってないから、ここで2-30枚描き進める事にしようかな、と。

・・つーか、こんな所でweb日記更新するヒマがあったら１枚描けって気がするけど。

09年04月09日

もうウチも日に5-60アクセスの弱小サイトに成り果ててるけど、何処で誰が覗いてるか分からないwebサイトの一つであることに変わりはないので、情報収集の為に一応書いておこうかな、と。

今、俺は日本の荒野を探してます。イメージ的にはこんなとこ。


おめえ、こんなとこ日本にある訳ねえだろ！と思いきやさもあらず。ネット検索すると近県でも似たような画を撮れそうな所は結構あるんですね。ただ、web上の小さな画像でしか確認出来ないからそこへ行ってこういう画が撮れるという確証がない。故にここへ行ったら撮れるよという情報が欲しいわけ。

ちなみに超ハードスケジュールの4.5月には撮れないから恐らく撮影は梅雨明け。猛暑の日に望遠で捉えたらナチュラルにこんな陽炎を撮れちゃうのが理想。シチュエーション的には復讐に燃えた主人公が単身で敵のアジトへ向かうシーンなんだけど、こういう画を長廻しで捉えたいのさ。バックにはスパニッシュ系のかき鳴らすギターサウンドを流す。頭でイメージしてる通りに具体化出来たら鳥肌モノの名シーンになる筈・・なんだけど前記の通りロケ地が確定出来ない。

どなたかこんな場所知らないかしら。出来たら関東近県が望ましいんだけど・・

09年04月14日

いやあ、毎日お釣りが来るほどエキサイティングな日々です。人の２倍生きてます。休みの日は全て撮影準備に費やし、仕事の日も勤務時間が終わったら打ち合わせ。自宅に帰ってもメールのやりとり、シナリオ変更点のテキスト作成と休むヒマ一切無し。DVDも観ない、パチンコも打たない・・つーかそんな余裕はない。

ここまで多忙な日々を送ると必ず何処かにしわ寄せが来る。実際かなりヤバい。しかしここを乗り切らないと本企画の成功は有り得ない。

年末にも書いたけど本企画最大の目標は仕事と映画制作の両立。映画制作に没頭出来ればそれは素晴らしい事だけど俺はその前に社会人であり、本業を疎かにする事は絶対に許されない。実際、映画制作の為に退職する道もあったし、今回の企画はそれだけの価値があるとも思ってる。しかし敢えてそれをしなかったのはどちらも自分にとって大事だと思ったから。

出来る事ならもっともっと映画制作に時間を費やしたい。スタッフと話し合いロケハンで動き回りガッチリ足場を固めたい。でも仕事があるからそれは出来ない。しかしながらそれを足枷と思っちゃいけない。何故ならそれが俺の選んだ道だから。

なんのなんの、どんなにキツくてもこの日々は来月の18日で終わる。長い人生のたった1ヶ月弱に過ぎないじゃないか。この歳になって夢を実現させる為にこんな苦労が出来る環境を幸せに思わなくちゃいけない。メゲてる場合じゃない。やるしかない。

ちなみに一昨日は俺組の衣装合わせ。もう終始シビれっぱなし。このスタイルでみんなも知ってるあの人やあの人が俺の企画の為にスクリーンで暴れ回る。想像しただけでチビりそうだ。

しかし何を置いてもその前に仕事ありき。今日も朝から仕事だ。頭の中のウェイトが映画制作に傾きつつあるけど仕事は仕事なのだ。職場に入ったら全てを忘れて仕事に没頭するんだ。それが出来なきゃ社会人失格なのだ。何が何でもやり抜いてやる。

09年04月18日

遂に人生最大の祭りがスタートした。まずは俺組より一足先に中平組クランク・イン。凄え、シビれたよ中平さん。煌びやかな衣装イメージ、ド派手な大仕掛け、それをサポートする技術陣の手腕、どれもこれも自主のレベルじゃない。このハイテンションを維持したまま全素材が揃ってしまったら冗談抜きに日本映画界へ一石投じる怪作になる。

実際、シナリオを読み、コンテを切った時点ではどういう仕上がりになるのかピンと来なかった部分が正直あった。しかし実際にそれを具体化する現場に立ち会った瞬間、全てが把握出来た。なるほどこういう事か。こいつはうかうかしちゃいられない。

中平組がパステルカラーだとしたら俺組は正にモノトーンの勝負。示し合わせた訳でもないのによくもまあこれだけ方向性が真逆になったもんだと思う。昨日の現場は本当に凄くて相当インスパイアされたけど、こっちにその要素を取り入れられないんよ。世界観が全く違うからね。

まあそこは燻し銀の魅力を目指すって事でマイペースで行きますわ。こっちにも強力なサポーターが付いてるし、良い意味でお互いをライバル視しつつ一緒に日本映画界へ殴り込みをかけましょー！

09年04月22日

中平組に引き続き俺組も今日からクランク・イン。シノプシスを書いたのが前作打ち上げの翌日だから2007年の12月９日か。約１年半、この日の為に準備を進めてきた。もうやるしかない。しかし、絶望的に限られた時間の中で必要素材を押さえなければならない点では中平組と何ら変わりない。

今日こなすべきカット数は予定77。9:00-24:00までで77カットである。無理じゃないけどタイムスケジュールに遅れが出たらこぼれる。こぼれたら最後、再撮の機会はない。何が何でも押さえるしかないのだ。

これから中野に小道具類を運んでビジネスホテルで寝て、朝6:30から行動開始。恐らく３日はウチに帰ってこれないだろうな。・・つー訳でここの更新も滞るけど、最近は普通に１週間とかサボってるから状況はさほど変わらないか。

では取り敢えず頑張ってきます。

09年04月25日

撮影２日分終了。昨日が撮休という事もあり３日ぶりに家へ帰ってきた。上がりは上々・・と言うより全ての画が想定してたクオリティの上を行ってる。このまま全素材が揃ってしまったら大変な事になる。少なくとも俺と似た感性を持った人間が見たら号泣モノの傑作になるぞ。もういける！としか言いようがない。

前作は東映ピンキーバイオレンスとマカロニウエスタンの融合がキャッチコピーだったけど、二手に分かれた事で中平組はピンキー一色、俺組はウエスタン一色。で、昨日はクライマックスの両者睨み合いを撮ったんだけど、ロケ地の素晴らしさも相まって正にセルジオ・レオーネの完全再現が出来た。今のニーズには合わないかも知れないけど、レオーネ好きが見たらビビるよ、あの画は。

ちなみに本家レオーネの両者睨み合いを振り返ると夕陽のガンマンは結構淡泊で1-2分、続夕陽のガンマンが５分、ウエスタンでは７分展開される。俺は取り敢えず2-3分を目指してる。その分の素材は押さえちゃったからこれの実現は充分可能。もうこれだけで死んでもいいって感覚ですわ。

しかしプロジェクトがデカくなればなる程、映画って一人じゃ作れないモノだという事を痛感させられる。技術部、制作部、キャストの連係プレーなんだななあ・・　今回は俺組に限定しても総勢4-50人のエキスパートが動いてくれてる。みんな作品を良い物にする為に色んな事を考えてくれる。まったく幸せ者だと思うよ、俺って奴は。

でも、まだまだ全体の1/4程度素材が揃ったに過ぎない。正しくこれからが勝負。今日も撮影なので、本プロジェクトへ参加して下さった方々の恩に報いる為に死ぬ気で頑張りますよ。

09年04月30日

取り敢えず４月分の撮影は終了。画は申し分なし・・どころか満足度500%。役者さん達の演技も震えが来る程に素晴らしい。撮影ペースも自分が思い描いたタイムスケジュールより更に巻きで撮れてる。その事によるクオリティダウンも皆無。４月分の最終日だった26日には現地7:30入りで昼食時間もティータイムもしっかり取りつつ予定70カット弱を21:00に撮り終えるという理想的な展開だった。こと撮影に関してだけ言えば順調そのもの。

しかしながら撮影以前の部分で抜けが多く凹みまくり。とにかく撮影規模が俺の許容範囲を超えており、確認不足や認識の甘さから様々な失敗をやらかした。スタッフが多くなれば確認事項が増えるのは当然の事なんだけど、そこをしっかり詰めずに撮影へ突入してしまったからミスの連発。もう長編映画製作を舐めてかかっていたとしか言いようがない。

俺一人の仕切りならまだしも今回はそうじゃないから、俺がミスをすると人様に迷惑がかかる。このまま５月に突入してしまうと同じ事の繰り返しだから、撮影再開までの期間に出来うる限り足場を固め直す必要がある。もう不慣れだから、経験が無いからという言い訳は効かないのだ。とにかくミスを犯さない事、人様に迷惑をかけない事を第一に考えつつ５月の準備を進めようと思う。

先月分

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