レコード

生まれて初めて親に買って貰ったレコードは確か「愛の戦士レインボーマン」だったと思う。例の「♪インドの山奥で〜」ですね。５歳か６歳の頃の話だけど、あれのレコードジャケットがすげ〜気に入って、何処へ行くにも持って歩いてたら２・３日で無くしちゃってレコードだけが空しく残った記憶がある。そのすぐ後で当時大流行だったフィンガー５の「個人授業」だったか「恋のダイヤル6700」だったかをねだってみたけど買って貰えなかったな。「歌謡曲を聴く子は不良になる！」とか言われて。

それからしばらく間があって、次に親にねだったのは小３の時に買って貰った「ジョーズ」のサントラシングルか。例の「♪デ〜デッ、デ〜デッ、ジュンちゃんジュンちゃんジュンちゃんジュンちゃんジュンちゃんジュンちゃんジュンちゃんジュンちゃんサブロ〜♪」ですよ。＜コサキンネタ

自覚的に自分の小遣いで初めて買った歌謡曲のレコードは何故か石川さゆりの「津軽海峡冬景色」。なんでこんな物を買ったのかというと、当時クラスで歌謡曲のシングルレコードを買うのが流行ってて、既に友達が持ってるシングルレコードを候補から外したらこれになっちゃった、という。普通、小学生はこんなの買わねえよ。でも、同じ感性を持つバカな悪友は殿様キングスとか買ってた、小５なのに（笑）

中学になった頃には買うレコードもかなり洗練されてきた。それと、シングルではなくLPを買うようになったな。初めて買ったLPはYMOの「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」だったかビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツクラブバンド」だったか、どっちの方が先だかったのか忘れたな〜　おっと、その前に買ったLPがあったわ。「時計じかけのオレンジ」と「ウエストサイド物語」のサントラを買ったんだ。確か小６か中１の頃。渋いガキだよね。

ここまで挙げた中で今でも手元に残ってるレコードは「サージェント・ペパー〜」と「時計じかけのオレンジ」だけだな。あとは全部処分しちゃった。

こんな調子で節操無くあれもこれも購入って感じだったあたしが強いコレクター気質を持ってレコードを買い始めたのは21歳の時。留年しててヒマだった頃にジャパニーズ・ロックの探求に目覚めて気になるアーティストのレコードばかりひたすら買いまくってね。

当時、主流は既にCDへ移行してたけど、ニューリリース物はさておき、過去の産物に関してはまだまだCDのラインナップが充実してなかったから、古い物を探求しようとしたらレコードを探すしかなかった訳。

それと、あたしが選んだアーティストのレコードって廃盤になってるパターンが多く、中古レコード屋でも大抵がプレミア物扱いされてたんだけど、マメにレコード屋を探索するとこれが結構新品で発見出来たんだな。あと、専門店ではない町の中古レコード屋とかを覗くと激安価格で叩き売りされてたりして。それが面白くて一時期レコード探索に明け暮れた事がある。

当時のあたしの獲物はと言えばPANTA関連がまず筆頭に挙げられますね。PANTA&HAL時代のレコードは市場価格の半分くらいで発見して購入。HAL解散後のソロアルバムは大抵新品で発掘出来たな。

頭脳警察解散直後にリリースされた２枚のソロアルバム「PANTAX'S WORLD」と「走れ熱いなら」の２枚は結構入手に手こずってね。「PANTAX'S WORLD」は￥6000くらい出して買ったんだけど「走れ熱いなら」はホントに見つからなかった。当時（今でもあるかも？）吉祥寺に激烈ボッタクリの廃盤専門店があって、そこには売ってるんだけど売値がなんと￥３万もしやがる。

そして、困り果てていたあたしに一つの悪知恵が働きます。当時新宿に「REC」っていう大規模なレンタルレコード屋があって、とにかく品揃えが豊富で廃盤のレア物だろうと何だろうとここへ行けば大抵は借りられたのよ。で、ここでは「走れ熱いなら」も貸してた。そして会員証には以下ような記述が・・

「レコードを紛失した場合、定価で買い取っていただきます」

定価・・　「走れ熱いなら」の定価は￥2500也・・　や、安い・・　という訳で店へ「ごめんなさい！　無くしちゃいましたぁ!!」って大ウソついて￥2500を支払い、念願の「走れ熱いなら」を入手。許せよREC!!　まあ、もう15年近く前の話だから時効ですけど・・

そのすぐ後でしたね、とある中古レコード屋に帯付きの「走れ熱いなら」が￥1800で売ってるのを見つけたのは。勿論買いましたよ（笑）　そんな訳であたしの手元には今でも２枚の「走れ熱いなら」があるのでした。
右側のジャケットに貼られた「レンタルレコード」のシールが心の傷に鋭く突き刺さる２枚の「走れ熱いなら」。

時を同じくしてお茶の水のディスク・ユニオンで「頭脳警察セカンド（ブザー入り再販）」の帯無しを約￥5000で購入。そのすぐ後で帯付き￥3800ってのを見つけてこれも購入。だから頭脳警察セカンドも２枚持ってる。

しばらくして「頭脳警察３」「誕生」「仮面劇のヒーローを告訴しろ」「悪たれ小僧」と頭脳警察のレコード４枚が各￥4900でまとめて売っている所へ出くわします。全部欲しかったけど金が無かったので「仮面劇〜」を除く３枚を購入。ソリッドレコードの「幻野（「世界革命戦争宣言」を含む頭脳警察４曲が収録されたオムニバスアルバム）」を安値で入手したのもこの頃か。

これで幻のファーストアルバムと「仮面劇〜」を除くPANTA関連のアルバムは全て入手。ファーストは以前web日記にも書いた通りオークションへ出れば50万を越えてしまう激レアなので入手は度外視して、「仮面劇〜」は機会あれば入手しようと思ってたら数年後にファーストを除く全てのアルバムがCD化されちゃったんだな。

こうなるともうアナログ盤は二束三文でねえ・・　どれもこれも￥2000そこそこで叩き売りされるようになっちゃった。「仮面劇〜」に関してはCDを買う事でお茶を濁し、まともな形で市場に出たPANTA関連のアルバムはコンプ達成、と。こんな感じの事を他のアーティストでも同時進行してました。さすがにレンタルレコードへ手を出したのはPANTAだけだったけど。

ジャパニーズ・ロックの廃盤シングルレコードを買ったりもしたな。ARBの「魂こがして（オリジナルバージョン）」は確か新宿のウッドストックで￥5000か￥6000出して買った。今じゃこれもCD出てるけど。

ちなみにあたしが今までに最も高値で入手したレコードはこれ。

THE BLUE HEARTS／1985

知る人ぞ知るブルーハーツ初のスタジオレコーディング曲「1985」のソノシートですが、お値段は￥15000也。武道館初ライブの直後くらいに入手したんだけど買う時は相当悩んだな。その後「トレイン・トレイン」で大ブレイクしてブルーハーツがビッグネームの仲間入りを果たした頃にはオークションアイテムとして一時期かなりの高値が付けられたみたいだけど、今じゃこれもＣＤ化されてるからアホみたいには高くないんじゃないかしら？　売ってるところを見たこと無いのでよく知らないんだけどね。

ちなみに今じゃレコードコレクションって全くやってない。もう大抵のレコードがＣＤ化されてるからアナログ盤に拘る理由も無いしね。拘る人は「やっぱさあ・・音楽ってのはアナログ盤に針を落として真空管アンプで聞いた方が音質もマイルドで云々・・」みたいな事を言うんだろうけど、あたしにはそういう拘りって皆無。取り扱いの面でも大きさの面でも保存性の面でもＣＤの方がアナログ盤よりも優れてるからＣＤがあればもう満足しちゃう。

まあアナログ盤に比べて「音に艶が無い」ってのは分からないでもないんだけど、逆立ちしたって車でアナログ盤は聞けないからねえ・・　まあ、この辺はあたしが言うフィルムとビデオの違いみたいなもんで、人それぞれの考え方があっていいんじゃないかな？って感じ。

しかし、前記の頭脳警察にせよ全タイトル共CD買っちゃったし、他にもアナログ盤とCDを重複して持ってる物が結構あるからその辺は処分しちゃってもいいんだよね。ただ、前記のような収集段階での様々な思い入れがあるからなかなか手放せないんだなあ、これが。特に「走れ熱いなら」だけは生涯を共にすべき責任を深く感じてるしね。

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