ネギラーメンのネギ抜き
| ラーメンの具と言えばチャーシュー、メンマ、海苔、なると辺りが大道だけど、もう一つ忘れてはならない存在がネギ、いわゆる薬味。 これがあたしは思いっきり苦手で、とにかくネギという物をまるっきり食うことが出来ない。当然ながらどんな名店へ行ってもラーメンはネギ抜きを頼むし、インスタントラーメンの粉末スープに混じってる乾燥ネギすら茶こしで抜くという徹底ぶり。これが周囲ではよく笑いのネタにされるんだけど食えないものは食えないよ。 何故ネギを食えないのか理由はよく分からないんだけど、あたしゃ物心付いた頃から青臭い野菜類が苦手でね。嫌いというより食えない。自分の中では食い物として認識してないと言ってもいい。多分、前世で何かあったんじゃないの。前世の俺はコオロギが何かで腐ったキュウリに当たって死んだとか青野菜にまみれて窒息死したとか（笑） それはさておき、私的に辛いのは何処のラーメン屋でも仕上げにネギをドンブリへ入れるという行動そのものが店員にとっては習慣化してるからネギ抜きでって頼んでるにも関わらず10回に１回はネギの入ったラーメンを差し出される事。前記の通り、例えどんなに美味いラーメンであってもネギが入った途端、あたしにとっては食い物以前の存在と成り果てるので非常に困る。 そういう時は取り敢えず店員へクレームを付けるんだけど、そこからの対処法によってはこちらが胸を痛める事もしばしば。大抵はあたしの次に頼んだ客へそのラーメンが渡るんだけど、店員がスープに埋もれたネギを一生懸命すくい上げてくれたり俺、昼飯まだだからこれ食うわって言いながらいきなり店員が食い始めたり、豪快な店になるとせっかく作ったラーメンを捨ててしまいイチから作り直してくれたりする。さすがにこれをやられると罪悪感に駆られるよ。でもネギの入ったラーメンは食えないのでお任せするしかない。 実際、あたしがネギを食う事さえ出来たらラーメンという食い物をもっと深く堪能出来るんだろうな。好きな人に言わせればネギの入ってないラーメンなんて気の抜けたコーラみたいな物って事らしいし。 その点で面白かったのはとある店へ行った時、いつも通りにネギ抜きを頼んだら店員が奥の方でコソコソ話し合ってるの。曰く奴はプロじゃねえかと。 ラーメンのプロって一体何だよ!?とか思ったけど、店にしてみりゃネギというある種ごまかし的な具を使えない分シビアに味見されると判断したんだろうね。残念ながらあたしゃプロじゃないよ。単にネギが嫌いな偏食野郎だっての。 こんな調子で誰かとラーメンを食いに行く度あたしのネギ嫌いが話題に上る。その中で一番印象に残ってる友人の言葉がお前、一度でいいからネギラーメンのネギ抜きを頼んでみてくれねえかっての。これは確かに話のネタとして面白いかも知れない。ただ、店員にマジでブッ飛ばされかねないから未だ試した事は無いね。 |