| はじめに |
今だから書けるけど、キッカケはお袋の神経症だった。それもかなり深刻な状況で、一時は家から一歩も外へ出ず、俺が無理矢理に食わせないと食事すらまともにとらないという有様。更に痴呆の初期症状までも見受けられるという最悪の状態。俺としては藁をも掴む心境で効果的な治療法をネット検索していたところアニマルセラピーの有効性を知り、急遽犬を飼う事にしたわけ。 実際、全身麻痺状態の老人が近づいてきた猫の頭をなでようとして手を伸ばす事を出来るようになった等、様々な実例がネット上で紹介されてはいるものの俺としては半信半疑だった。ただ、何もしない訳にはいかないからまず出来る事として犬を飼う所から始めようかと。 手順からすればもっと犬の事を勉強し、セラピストに最もふさわしい犬種を選択して良質なブリーダーから購入すべきだったんだろうけど、そんな余裕はなかったから検索エンジンで犬関連のサイトへ飛び、犬図鑑で中型犬にカテゴライズされる犬種の中から写真を見ただけでビーグル犬を選択。即購入出来る近場のペットショップをネット検索で探し国立のショップから生後３ヶ月半のビーグル犬を購入。して、その結果は・・ 正に効果絶大だった。全く外出しなかったお袋が近所のスーパーに買い物へ出られるようになったのは犬を飼い始めてから僅か３日後の話。徐々に食欲も沸いてきたようで今じゃ普通に食事してるし、時折犬の散歩に出たりもしてる。物忘れは相変わらずだけど、こと神経症に関しては完治したと言っても差し支えない。その間、別にウチの犬がお袋に何かをしてくれたわけじゃなく、ただそこに居ただけ。何というか、犬本来の持つ力の一端を見せつけられる思いだった。 |
| ありがとうビーグル犬MAY。 君の事は一生忘れない・・ |
・・で、話が終わればカッコいいんだろうけど勿論そんな訳にはいかない。ハッキリ言って犬の健康がお袋の健康にも繋がるので健康管理は欠かせないし、よく吠えてよく咬むバカ犬になってしまうと全てが悪い方向へ傾く可能性もあるからしつけは徹底させなくちゃならない。その他トイレ問題、イタズラ防止、日々の散歩と課題は山積み状態。 ちなみに俺って犬に関しては壮絶な無知野郎で、ビーグルがどういう犬種なのかといった基礎知識も全く持ち合わせていなかった。その後、ウサギ狩りに使用される狩猟犬だという事実を知り、運動量がハンパじゃないとか独立心旺盛な為しつけに苦労するとか、そういう問題を肌で感じる事になる。まあ、愛嬌ある容姿に惹かれて飼い始めた結果、激しく手を焼く事になる飼い主の典型って奴ですか。実際、もう少しちゃんと勉強すればビーグル犬は飼わなかったかも知れないね。 しかし、飼い始めてしまったからには後戻り出来ない。多数の文献を読み漁りネット検索しまくり、様々な飼育法を試みる悪戦苦闘の毎日。キッカケはお袋の為だったけど、今じゃもう俺の方が犬に夢中なのかも知れない。 |