スプラッターの友人
| 私にはスプラッター好きの友人がいます。学生時代からの付き合いなのでもうかれこれ16年来の腐れ縁です。スプラッター好きですから勿論、彼の作る映画は全てスプラッター映画。私も時折、彼の作る映画には撮影スタッフとして参加しています。 「好きこそものの上手なれ」とはよく言ったものですが、残念ながら天は二物を与えなかったようで彼の場合、演出力は優れているのですが造形力がイマイチ。それでも彼は意気揚々と様々な造形物を作っては撮影現場に現れます。 俺「そのウンコみたいな赤い固まりは何？」 友人「いや、腸なんだけど」 俺「・・・」 実際、彼の作る造形物の大半は紙粘土素材に水彩絵の具で着色された「特殊造形」というよりは「図画工作」に近い代物なのです。そして二人で笑い転げながら撮影開始。それでも上がりのフィルムを見るとそれなりに腸らしく見えたりするのが８mm映画の不思議な所です。 私もサム・ライミやダリオ・アルジェント好きのホラーファンですが、スプラッター映画を自作する気は今のところありません。それでも彼の映画にスタッフとして参加するのは実に楽しい。ジャンルは違えど、好きで好きでたまらない物を自分なりに具体化しようとする彼の姿勢には大いに共感出来るし、自分にとって良い発憤材料にもなります。 そんな彼と共同で企画を立て、「日本一のスプラッター映画を作ろう」というプロジェクトが動き出したのは今から６年も前のこと。それから今までの間いろいろとありましたが、残念ながら今でもその映画は完成に漕ぎ着けません。彼自身結婚して父親になってしまい、映画製作が思うようにはかどらなくなってしまったんです。 さすがに「日本一」にはほど遠い出来映えですが、ベスト500くらいになら入れる映像素材が既に撮り上がっています。撮影も９割５分方終了しているし、彼自身も何とかして完成させたいと言っているので、何時の日にかこの小さなスプラッター映画は公開に踏み切られると思います。その日を私自身も楽しみにしているのですが、現状では何年先になる事やらと言った感じです。 |