| たたり(1963) アメリカ映画 監督...ロバート・ワイズ 出演...リチャード・ジョンソン、クレア・ブルーム |
| あまり映画で怖がる事のない俺が部分的にではあるけどゾゾッとさせられたという点で非常に印象深い作品。 改めて見返すと心霊研究家の博士に淡い恋心を抱くヒロインの心情とか女二人の同性愛的描写とか、本筋とは別に描かれる人間関係図が作品に深みを持たせると言うより主軸のブレに思えてしまいトータルでは絶賛に至らず。それでも恐怖演出の部分では目を見張る程良い箇所が幾つもある。 最も印象深かったのはヒロインが壁の模様に怯えるシーンかな。どこからともなく聞こえてくる笑い声とも泣き声ともおぼつかぬ不気味な声が聞こえてくる中、壁の模様の一部が光のバランスで人の顔の様に見えてくる。決して顔の模様ではなく、そう感じさせる模様でしかない。これが結構怖い。 思い起こせばガキの頃、寝床の壁のシミが人の顔に似てるような気がして怯えた経験があったりして、そんな古い記憶を呼び覚ますような、実際には怖くも何でもないものを怖く見せるという純視覚的映像表現は賞賛に値すると思う。 古くから幽霊屋敷と称される呪われた屋敷に強い興味を持った研究家が若い男女を連れて調査に向かうというシチュエーションからジョン・ハフのヘルハウスを想起させる。実際の所はヘルハウスがたたりを模して作られたんだろうね。本作の幽霊屋敷の名前が丘の家（ヒルハウス）だから間違いないと思うけど。 |
| (2008/03/22) |