| ヒッチャー(1985) アメリカ映画 監督...ロバート・ハーモン 出演...C・トーマス・ハウエル、ルトガー・ハウアー、ジェニファー・ジェイソン・リー |
| 初めて観たのは学生時代だったか。テレビの深夜枠で放映されてたから何となくテレビをつけたら冒頭シーンで一気に引き込まれ、有無を言わさずエンディングまで付き合わされた覚えがある。 とにかく構成が実に巧み。主人公がヤバい奴に付きまとわれ殺人の濡れ衣を着せられ、投降すればその警官も殺され更に警官殺しにまで仕立て上げられる。しかも舞台が都市じゃなくアメリカ郊外のハイウェイだから誰も助けてくれないという状況が極めて切実に伝わってくるんだな。 ちなみに郊外のハイウェイが舞台という点ではスピルバーグの激突！を、殺人犯に仕立て上げられ警察に追われる身となり、唯一の頼みの綱である警察もアテに出来なくなる点ではヒッチコックの巻き込まれ型サスペンスを思わせる。タイトルの「ヒッチャー」もヒッチコックにかけてるのか？と思ったりするんだけど実際の所どうなんだろ。とにかく激突！とヒッチコック映画のおいしい部分をいただいたような作りなれど単なる猿真似に終始してない所が良い。 それと何をおいてもルドガー・ハウアーの怪演が凄い。何を考えてるのか分からないヤバい奴としか言いようのないヒッチハイカーを見事に体現した存在感が素晴らしい。ブレードランナーのレプリカントも最高だったけど、本作のヒッチハイカーはあれに匹敵する。 でも、俺はこの作品を両手離しで絶賛出来ない。観た人なら分かると思うし観てない人にとってはネタバレになっちゃうから書かないけど、後半のシナリオ展開に大きな欠点があるんよ。俺はアレが必然的とは思えないし、ああいう展開じゃなくても話は綺麗にまとまったと思うんだけどなあ。 とにかくアレのおかげでこの映画は非常に後味が悪い。そこが良いって人が居るかも知れないけど俺は納得いかない。但しアレ以外はエピローグを含めパーフェクトだと思ってるからこそ高く評価してるんだけどね。 |
| (2005/11/29) |
【追記】 ２年前まではこう思ってたけど、最近はあの展開もそれはそれで有りなんじゃないかと思い始めた。ドロッとした後味の悪さこそが本作特有の持ち味だからね。(2007/08/14) |