| 2001年宇宙の旅(1968） アメリカ映画 監督...スタンリー・キューブリック 出演...ケア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド、ウィリアム・シルヴェスター |
| SＦ映画ファンに絶大なる支持を受けた2001年宇宙の旅だけど、俺はアーサー・Ｃ・クラークの提唱した難解な世界観よりもそのスタイリッシュな映像表現を買ってる。だから多くの映画ファンが熱く語る謎の部分にはそれほど心惹かれない。訳わかんないけどそれはそれって感じで考察という行為そのものを放棄しちゃってるので。 確かにモノリスを筆頭とした意味ありげな物が一体何を表現してるのかを勘ぐる事に楽しみを見い出す人が多いのもよく分かるんだけど、俺自身はそれ以上に視覚へ訴えかけてくる物を単純に受け止めてトリップしちゃう方が楽しいんよ。部屋全体が白く光り輝いた空間にポツンと置かれた黒い石板のイメージとか前衛絵画的で面白いじゃない。だからそこに深い意味があったとしても俺にとってはどうでも良かったりして。こういう事書くと四面楚歌になりそうだけど、正直言えば俺の価値観はそんな感じ。 ちなみにキューブリックが原作者アーサー・Ｃ・クラークの意図を映像化するにあたって用いた手法の一つに主語の抜けた会議がある。偉い人たちが集まって重大な事を話し合ってるのに、それが一体何の事なのか観客には全く明かされない。結局、この映画の難解さは、そういう虫食い問題的な手法で形成されてる。そこが良いって人が多いけど俺自身はあまり魅力を感じない。むしろ映像表現が妙に斬新で面白いから支持してるわけで、そういう意味でもこの映画は２種のファンを生み出したと言っていい。深読み組と俺みたいな映像至上主義組のね。どっちが優れてるかなんて分からないし、俺は深読み組の存在を尊重するので、俺みたいな受け止め方も否定しないで欲しいな。 |
| (2005/12/07) |